イベント詳細

2018/09/11、09/18、09/25

2018年度特別集中セミナー

「データサイエンティストのための情報セキュリティとプライバシー(入門編)」

* 本セミナーはコンピュータサイエンスの知見を持たない方を主な対象としています *

ハードウェア技術・ソフトウェア技術など情報科学の発展にともなって、世界中で蓄積されるデジタルビッグデータの総量の増加は加速する一方です。昨今のビジネスの世界では、これら蓄積され続けるデータの扱いにおける主な課題として、データの整備・保管・活用の効率化と工数確保がしばしば取り上げられます。一方で、いかにデータを活用するか・利益を生み出すか・ビジネスにするかという観点が先行し、データをどのように守るかという観点が一歩遅れています。

2000年代初頭のブロードバンド導入期に世界中で発生したハッキング事件を契機として、「データは内部でのみ処理し外部に漏らさない」という観点に基づくコンピュータセキュリティの手法・思考方法が各国政府や企業情報部門に浸透し、その後2010年代には情報科学技術に基づく実用技術における基盤知識・必須知識として定着しつつありました。しかし、「データ利活用のために必要な範囲で正しく外部と共有する」ことが求められる現在では、プライバシーなど一部のセキュリティ領域の観点の成長がデータの拡大の勢いに追い付いておらず、世の中のコンピュータセキュリティの安全度は20年前の世界に巻き戻ろうとする傾向が見え隠れしています。

特に、第三次AIブーム下では、従来では成し得なかった驚くべき成果を上げることができる技術の実用性と、それを軸とした新規ビジネス立ち上げに注目が集まるばかりで、どのようなデータが集められ、加工され、保管されているのかという点については、ハッキング被害や情報漏洩などの深刻な事件などが起こらない限り話題となることはほとんどありません。

このような時代において今一度我々が振り返らなくてはならないのは、収集されたデータは半永久的に保管されること、不意に拡散したデータは回収することができないこと、そして拡散したデータの状況を精度高くモニタリングする手法は存在しないということです。これら観点に基づけば、知的興味や面白さによって加熱し続けるAIブーム・ビッグデータブーム下においても、冷静にデータを取り扱うことの必要性がおのずと理解できます。特に、拡散したデータは回収できないという性質に基づけば、データ収集の設計時、すなわちシステム開発の最初期にセキュリティの要点を把握しておくことは極めて重要です。一方で、積極的にデータを提供することで高品質なサービスを享受できるようになるという観点もまた事実であり、我々はこのパラドクスに恐れず立ち向かわなくてはなりません。

そこで、このたびD-DATaプログラムでは、データサイエンティストの卵が学ぶべきサイバーセキュリティの基盤知識として「情報セキュリティとプライバシー」というテーマで集中セミナーを開催いたします。情報科学(コンピュータサイエンス)の知見の有無にかかわらず、データサイエンスを学習するすべての人は、AI・ビッグデータ時代において人々の安全を守るための思考回路・一般常識を備えておくべきです。

この入門編においては、企業における実際のIoTサービス開発やデータ運用などの事例を通して、「プライバシー」を軸にして幅広い情報セキュリティ領域を俯瞰し、可能な限り専門的概念を用いずに全体像の理解を試みます。具体的には、情報セキュリティの基本的思考方法そして国際標準規格や各国の法令の状況を把握することで世界的な潮流と課題を理解しつつ、事例に基づきながら実際のデータの取り扱い(特に、データの収集・運用方針と匿名化のための加工方法)について学習します。これらにより、高度データ処理のあらゆる段階における基本的な情報セキュリティの思考手法を養います。

■主 催:

早稲田大学 高度データ関連人材育成プログラム(D-DATaプログラム)

■共 催:

Kii株式会社、オルトブリッジ・テクノロジー株式会社

■協 力:

WASEDA-EDGE 人材育成プログラム、早稲田大学 博士キャリアセンター

■日 時:

2018年9月11日(火) 19:00-20:30、18日(火) 19:00-22:10、25日(火) 19:00-20:30

■会 場:

早稲田大学早稲田キャンパス付近(詳細および確定内容は受講者に追ってお知らせいたします)

■定 員:

40名

■受講費:

D-DATaプログラムに登録している学生は無料 ※外部社会人の受講については、こちらよりお問い合わせください。

■申込締切:

8月8日(水) 8月22日(水) ※延長しました

■当日の演習環境について:

無線LAN接続に対応したPCをご持参ください。OSやバージョンの指定はありません。

■プログラム:
9/11(火) 19:00-20:30 第1回 情報セキュリティと情報セキュリティマネジメントの基本
9/18(火) 19:00-20:30 第2回 データプライバシーとデータ匿名化手法の基本
9/18(火) 20:40-22:10
9/25(火) 19:00-20:30 第3回 データプライバシーに関する法令基礎知識
■シラバス・開催案内:

※PDFファイルが開きます。

講師プロフィール

井口 誠
博士(工学)、現在Kii株式会社 セキュリティアーキテクト/シニアリサーチエンジニア
暗号応用技術や匿名P2Pネットワーク技術、データの匿名加工等の研究開発に従事。
現在は、IoT向けクラウドプラットフォームのセキュリティとデータプライバシー担保に必要なデータガバナンスの設計/構築に従事。 HP: https://researchmap.jp/igucci/
【略歴】
1999-2004年 NTT情報流通プラットフォーム研究所(現 NTTセキュアプラットフォーム研究所)
2004-2009年 France Telecom Research & Development Tokyo(現 Orange Labs Tokyo)
2009年-現在 Kii株式会社
【学会活動】
情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)運営委員
The 13th International Workshop on Security (IWSEC) 2018 Local Organizer をはじめ、様々な国際会議やジャーナル等の学会運営活動に従事。
企画者プロフィール

宮島 崇浩
博士(工学)、オルトブリッジ・テクノロジー株式会社代表取締役、早稲田大学グリーンコンピューティングシステム研究機構招聘研究員
ネットワークセキュリティ調査・ヒューマンインターフェース研究・感情音声データベース構築・高位合成コンパイラ研究・高信頼性ソフトウェア開発管理・研究成果商用化などの業務に長らく従事。
2017年にオルトブリッジ・テクノロジー株式会社を設立し、研究・教育に係る新規事業の開発・実行支援や企業内システム運用・構築支援等を行っている。
日本音声学会正会員・日本音響学会正会員。